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今の少子化の波は初期段階? 政府シンクタンクがディスカッション

 内閣府経済社会総合研究所(ESRI)は11月2日、政策フォーラム「多様な家族への子育て支援の在り方」をオンラインで開催した。客観的なデータに基づいた少子化対策のあり方についての議論が展開された。

少子化の動向をおさえておくと、2021年の出生数は過去最小となる81万1622人、合計特殊出生率は1・30で、最低となった2005年(1・26)に迫る数値となっている。
「出生動向基本調査」によると、既婚者は、平均して2人程度の子どもを持ちたいという希望を持っているが、経済的な理由、高年齢での出産への不安、といった理由で希望がかなえられていない。

 山崎史郎・内閣官房参与兼内閣官房全世代型社会保障構築本部事務局総括事務局長は、少子化の展望と今後の政策のあり方について提起し、現在の少子化はまだ「初期段階」と指摘した。そして、高齢化数が安定したあとの「次の段階」では、、国内のマーケット規模そのものが減少し、生産性の低下が起き、日本経済がマイナススパイラルに陥ると強調した。
 そこから、現在の日本の企業の制度や働き方の見直に目を向け、女性は、出産時に退職するか働き方を変えるケースが多く、正社員の場合でも、時短制度を利用できる人は少なく、長時間保育の常態化、小1の壁の問題につながっていると指摘した。その対策として、全ての子どもの出産・育児を国が支援する「予防的福祉政策」を推進するべきだと語った。

 永瀬伸子・お茶の水女子大学教授は、未婚女性の2割が子どもを持たないで働くのが理想と考えており、3割が子どもも家庭も持たないというライフコースを予定しているというデータを紹介。また、男女問わず専業主婦志向が低下し、出産後は育休を取得し、共働きを希望していると語った。その背景には若者の非正規雇用が増えていること、奨学金負担の増加、正社員雇用の拘束時間の長さ、などがあると分析した。
 今後は、若者層に対するセーフティネットの構築や経済環境の整備、育児時間を確保できる働き方のルールの策定が必要だと提起した。

2022年11月14日号より

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